新NISAを始めたばかりのころ、毎日チャートを見ていた。

朝起きてスマホを開く。昼休みにもう一回確認する。寝る前にもう一回。上がっていれば安心するし、下がっていれば不安になる。積み立てているだけなのに、値動きに一喜一憂して、頭の中がずっと「投資のこと」で埋まっていた。

あるとき気づいた。釣りに行っているのに、堤防でスマホを開いて株価を見ている自分がいた。これはまずい、と思った。


この本を手に取った理由

新NISAが始まったタイミングで積み立てを始めた。保険をほぼ全解約して浮いたお金をNISAに回すことにしたのがきっかけだ。

投資を始めること自体はよかった。問題は、始めた後の自分の心理状態だった。

毎日の値動きが気になって仕方ない。たかが月数万円の積み立てなのに、含み損が出ると「もっと安くなるんじゃないか」「今やめた方がいいんじゃないか」と考えてしまう。

そんなときに本屋で見かけたのが、ニック・マジューリの『JUST KEEP BUYING — 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』だった。タイトルの「JUST KEEP BUYING(とにかく買い続けろ)」という言葉だけで、自分に必要な本だとわかった。


『JUST KEEP BUYING』はどんな本か

著者のニック・マジューリは、アメリカの資産運用会社でデータサイエンティストとして働いている人物。130年分の市場データと60以上のチャートを使って、「お金の増やし方」をデータで証明している。

この本のメッセージはシンプルだ。細かい投資戦略よりも、「買い続けること」そのものが最も重要。これをデータで裏付けている。

「貯金」と「投資」の2部構成で、投資初心者にもわかりやすい。難しい金融用語はほとんど出てこない。


刺さった3つのメッセージ

① とにかく買い続けろ — 戦略より「継続」

本のタイトルそのまま。でもこれが一番大事だった。

著者はデータで示す。市場に居続けた投資家と、タイミングを計って出入りした投資家を比較すると、ほとんどの場合、ただ買い続けた方が勝つ。理由は単純で、市場が上がるタイミングを的確に読むのは、プロでもほぼ不可能だからだ。

これを読んで「ああ、自分が毎日チャートを見ていた時間は、完全に無駄だったんだ」と気づいた。

チャートを見る時間を釣りの時間に変えるイメージ

② タイミングは読めない — 早く始める方が勝つ

「もう少し安くなってから買おう」と待つよりも、今すぐ買った方が長期的にはリターンが高い。これもデータで証明されている。

暴落を待って投資するよりも、すぐに投資を始めて暴落も含めて乗り越えた方が、結果的に資産が大きくなる確率が高い。

自分が新NISAを始めるとき「もう少しタイミングを見てから」と思っていた時期もあった。あのまま待っていたら、今でも始められていなかったかもしれない。

③ 人生の体験にもお金を使え — 節約だけが正解じゃない

この本の中で一番意外だったのがこのメッセージだ。

投資の本なのに、「人生の体験にお金を使え」と言っている。旅行、趣味、家族との時間。これらにお金を使うことは浪費じゃなくて投資だ、と。

釣り人としてこれは救いだった。固定費を削って積み立てに回すのは大事だけど、それで趣味を我慢するのは違う。必要な分を積み立てたら、あとは好きなことに使っていい。この考え方のおかげで、釣りにお金を使うことへの罪悪感がなくなった。


読んで変わった行動

インデックス一本に絞った

著者は個別株投資を明確に否定している。プロの機関投資家ですら市場平均に勝ち続けることは難しいのに、個人がそれをやろうとするのは合理的ではない、と。

自分はもともと個別株はやっていなかったけど、「インデックスだけでいいんだ」という確信が持てたのは大きかった。オルカン(全世界株式)一本で、迷わない。

チャートを毎日見なくなった

これが一番の変化だ。

始めたころは毎日チャートを開いていた。朝・昼・夜の3回。上がった日は気分がいいし、下がった日はモヤモヤする。それを繰り返していた。

本を読んでから、チャートを見る頻度が激減した。今は月1回、積立の確認をするくらい。見ても見なくても、やることは「買い続ける」だけなんだから、見る意味がない。そう割り切れるようになった。

浮いた時間で釣りに行く

チャートを見ていた時間はたぶん1日10〜15分くらいだった。大した時間じゃないように見えるけど、問題は時間じゃなくて「頭の中の占有率」だ。

投資のことが頭にあると、釣りに行っても集中できない。堤防でスマホを開いてしまう。それが今はない。海に立っている時間は、純粋に釣りだけに集中できている。

釣りの忍耐と投資の忍耐の共通点を表すイメージ

釣り人がこの本を読むべき理由

釣りの「待つ」と投資の「待つ」は同じ

釣りをやっている人なら、「待つ」ことの大切さを知っているはずだ。

魚が食ってくるまで待つ。潮が動くまで待つ。焦ってルアーをキャストし続けるよりも、タイミングを信じて待つ方が結果が出ることを、体で知っている。

投資も同じだ。市場が下がっても焦らない。回復するのを待つ。「待てる人が勝つ」というのは、釣りも投資も変わらない。この本を読むと、釣りで培った「待つ力」がそのまま投資に活きることに気づける。

時間は増やせない。だからこそ使い方を選ぶ

1日は24時間。これは誰にも変えられない。

チャートを見る時間、投資の情報を追う時間、値動きに一喜一憂する時間。それらを全部やめて、積み立ての設定だけして放置する。浮いた時間と心のエネルギーを釣りに向ける。

この本が教えてくれたのは、「投資にかける時間を最小化する方法」だ。釣り人にとって、これほど都合のいい投資法はないと思う。


まとめ — 放置でいい。その時間で釣りに行こう

『JUST KEEP BUYING』の教えは、びっくりするほどシンプルだ。

  • とにかく買い続けろ。タイミングを読むな
  • インデックスファンドを積み立てて、あとは放置しろ
  • 人生の体験にもお金を使え。節約だけが正義じゃない

投資に時間をかけるのをやめた結果、釣りに集中できるようになった。相場が気になって堤防でスマホを開くこともなくなった。

積み立てを設定したら、あとは海へ行こう。魚を待つように、資産が育つのを待てばいい。

興味が湧いた人は、ぜひ一度手に取ってみてほしい。釣りと同じで、続けることの力を信じたくなる一冊だ。(Amazonで『JUST KEEP BUYING』を見る

まだ投資を始めていない人は、固定費の見直しで種銭を作るところから。すでに始めている人は、この本を読んでスマホを置いて、釣りに行こう。